恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
この人さっきから何言ってんの?
意味不明。
わたしには全く理解出来ない。
「そんなあからさまに、嫌な顔をするなよ」
昨日会ったばかりの人に、しかも泣かされた人に"俺から離れるな"とか言われれば、嫌な顔にもなるわよ。
「そうだ。お前、家事出来るか?」
いきなり話し変えたし。
何なのよ、一体。
「少しはできる」
「そうか」
ニヤリッと笑ってそれだけ返ってきた。
―――コンコン
「入れ」
男がそれだけ言うと、入ってきたのは、スキンヘッドの木村さんと、金の短髪さんだった。
木村さんの右手にはわたしの荷物。
そういえば、車に置いたままだった。
「御苦労だったな。
ありがとう」