恋する＊spring～春をうられたわたし～【完結】

「わっ」



いきなりの事で、びっくりしたわたしは、変な声と一緒に男の胸へと、ダイブした。





わたし今抱きしめられてる？
なんで？




男は子供を慰める時みたいに、優しい手つきで、わたしの頭を撫でてる。





「お前、今泣きそうな顔してる。泣きたいんだったら、泣け」




わたし泣きそうな顔してた？
今、自分の気持ちがわからない。
いきなりここに連れて来られて不安で。
傍にいるだけでいい、と言われたけど、わたしは売られて買われる身だから、気に喰わない事があったら、また別のところに行かされる恐怖感。






わたしは撫でてる手につられるように、泣いた。





この人の前では、泣いてばっかりだな、そう思いながら。