恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
考えすぎて頭がクラクラする。
もう上がろ。
お風呂からでると、翡翠はまた新聞を読んでいた。
わたしがお風呂から上がって来たのに気づいたのか、翡翠は新聞から視線を外し、わたしを見た。
だけど、すぐに何処かへと行ってしまった。
「髪、乾かせ」
そう言いながら戻ってきた翡翠の右手には、ドライヤーが握られていた。
いつも自然乾燥なんだけど。
有り難く借りよう。
翡翠からドライヤーを貰い、髪を乾かした。
髪の長いわたしはけっこう時間がかかった。
中途半端だったけど、めんどくさくなって途中で止めて、翡翠にドライヤーを返した。
「ありがとう」
「もういいのか?」
「うん」
「じゃあ、寝るか」
壁に掛かってる時計を見ると、もう11時前だった。