恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
「これ、俺のベッドだし」
「じゃあ、わたしソファーに寝る」
わたしが立ち上がろうとすると、翡翠に腕を捕まれた。
「お前もここに寝ろ」
そして、思いっ切り腕を引っ張られ、布団を被せられた。
しかも、抱きしめられてるんですけど………
「ちょ、ちょっと!」
わたしは翡翠を押してみるけど、やっぱり相手は男で、全くびくともしない。
「ん?なんだよ」
「なんでこの体制?」
この体制は嫌だ。
誰も逃げやしないわよ。
「離したらユリは逃げるだろ」
だから、逃げないって。
「今日はこのまま寝かせろ」
なんてわがままな。
もう抵抗する気にもなれない。
今日はいろいろあり過ぎて疲れた。
わたしはいつの間にか意識を手放した。