恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
「どこに行くの?」
「馬鹿かお前、今日火曜だぞ。
会社に行くんだよ」
馬鹿とはなによ。馬鹿とは。
今日火曜日なんだ。
久しぶりに曜日がわかったなぁ。
ん?
わたしも着替えるの?
「もしかしてわたしも会社に行くの?」
「ああ。
ここに居たければ行かなくていいけど」
「ここに残るんだったら、家から出たらダメ?」
「そうだな。ここから出るな」
ここに残っても一人だし、何もすることがないし、行った方がマシかな。
「わたしも会社に行く」
その返事に満足したのか翡翠はニヤリと笑った。
あのニヤリやめてほしい。
気持ち悪いんだけど。
そう思いながら、わたしはせっせと準備した。