うすのろ馬鹿マヌケ
 男は財布だけを雲雀に渡し、学生証をチラつかせて去っていく。


「ちょっと・・・返してください!」


「欲しかったら放課後、学食来たらええわ。返したる。」


そう言って男は階段を上っていった。


「最悪・・・。」


何故こんな面倒なことに巻き込まれなければならないのか。
何故こんなに自分は不運なのか。

本当にやるせない気持ちでいっぱいになった。


雲雀は自分が今すべきことを再確認し、とりあえず購買に行ってミシン糸を買った。



しかし学生証など奪って何をしたいのか?
新手の嫌がらせか?

普通だったらあそこで現金を取るとかするのではないだろうか。



とにかく、最悪な事態に巻き込まれたのは確かだった。
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