うすのろ馬鹿マヌケ
 しかし本当に言いたいことはそれだけでは無い。

いい加減パシリ生活には終止符を打ちたかったのだ。
せっかくの機会だと雲雀はそのこともついでに口にした。


「でもあたし、もう先輩のパシリになるの嫌なんですけど・・・。」


「学生証返したやろ。」


「もうあれ以上の働きはした気がするんですけど。」


隼はため息をついた。


「お前は何が言いたいんや。」


雲雀はにっこり笑って言った。


「こうしませんか?

あたしが先輩の言うことを聞く、その後きちんと先輩の言うことをきいたら今度はあたしに命令権が移る。
それで反対のことを私がする。
先輩があたしの頼みをきいてくれたら、命令権は先輩に。

どうですか?
そんなに悪く無い話だと思うんですけど・・・。」


隼は少し考えた。

今の生活に執着を持っているわけではない。
雲雀がパシリであっても頼むのは大したことではない。


それに今の生活がマンネリ化しているのは確かだった。

雲雀の提案は損も無ければ得も無い、そんな感じにとれる。



「わかった。」


雲雀は目を大きく見開いた。


「その話、乗ったるわ。」


隼はぽつりと呟いた。
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