うすのろ馬鹿マヌケ
 「不知火・・・せんせ・・・。」


「それ本当!?ずるいっ!!!」


雲雀は百合が不知火を評価していることを知っていた。

一年の時も講義がある度に喜んで行っていたし、二年になったら担任は不知火がいいと言っていたのも聞いた。


「あたし不知火先生苦手だもん・・・。やだ・・・。
ほんと鬱になりそう・・・。」


「雲雀、それ以上言ったら怒るわよ?」


百合は淡々と喋りながら券売機に小銭を入れる。

出てきた食券とお釣りを手にし、百合は後方へとずれた。
昼食時は人が多く混雑する為、あまり券売機の前で長居はできない。

しかし雲雀はそれどころでは無いらしく、百合の方を見ながらまだ何か言っている。




「百合ちゃん、ひーどーいー!!!」







「おい、ブス。」








雲雀は目を見開いた。



ブス?
確かに目の前にいる男は自分をブス呼ばわりした・・・筈だ。






「聞こえんかったんか、このブス。
五月蝿いし邪魔やしとっとと退けや、ダアホ。」







辺りに静けさが漂った。





これが、二人の因縁めいた出会いだった。
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