嘘つきな彼女は、今日も嘘をつく。

「……は?」


そして約3秒後。
俺はたぶん生きてきた中で一番後悔した。

なにしてんだ俺は!てか他人に一喝とか……どうかしてるだろ!

アニメで例えると、滝の汗だ。


「なんなの?お前」


明らかに、女は不機嫌になった。
化粧品を古田にねだってた女だ。

てかそもそも、女なのに『お前』とかいういかにもな言葉を使うなよ。

ってそんな事どーでもよくてだな…。


「すまん。なんもねぇや」


一歩を完全に踏み入れてしまったため時すでに遅し。…なんだが、今下がればまだ間に合うと思い、俺は静かに下がった。


ポカンと口を開けてる古田を横目に俺は味噌ラーメンの待ってる席へと戻る。

化粧品をねだってた女はそんな俺をガン見だ。

視線が痛いが、放っておいた。


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