嘘つきな彼女は、今日も嘘をつく。
俺は毎朝、あのバカな会話が終わるまで静かに窓を眺めるんだ。
ぶっちゃけ口を挟んでやりたい。
『この女たちは、古田を金としか見てないぞ』
まぁ、そんなことを言った俺は次の日から……いや、その瞬間から『KYな人間』になる。
古田に教えてやりたい心もあるが、別にそこまで絡んでないし…。
そんな感じで俺は今日も、右をわざと見ずに窓を眺め続けた。
「てかさぁ〜うち、最近欲しいものがあってぇ。この雑誌にのってる服が欲しいんだよねぇ」
「可愛いね」
「でっしょ〜?ねぇ由乃ぉ、買ってよ〜!お金持ちでしょ?」
「え……」
隣で聞いてるだけでもわかる、古田の引きつった声。
まぁあんな内容の会話。さすがに金目当てだってわかったんだろう。
そう思って少しスッキリしたのに…