雨宿り
【其の三】
「帰ろか」
「うん」
もう夕方や。
雨やから、よけい暗く感じる。
窓に近寄り空を見上げる。
「だいぶ小降りになったぞ」
今日は昼過ぎから雨が降り出してた。
「この調子やったら明日は晴れるな」
―ッ!
「美、美桜」
美桜が…背中に抱き着いた。
「どうしたんや?」
「……」
「美桜?」
「な、何でもない。なぁ」
「うん?」
「暫く…こうしていて」
手を俺の腹に回して組んできた。
その手に手を重ねて
「うん」
――
―