雨宿り
【其の三】
な、何がエプロン似合うねやのん。
小姉が言うたとおりやな。
男ってエプロン好きなんや。
もしかしてマザコンなんやろか、 男って。
まぁ、別にメイドさんのエプロンちゃうしええけど。
私のしてるエプロンはデニムのやつでシンプルやし。
褒められて悪い気はしいひんしな。
そやけど…恥ずかしい。
ちょっと甘い雰囲気になりそうやったから、アイス食べることにした。
それに顔が熱いしな、冷ますのにもええやろ。
なのに、なのに…
何で笑い出すん。
私、何か変な事したんかなぁ。
最近の私、ちょっとおかしいらしいし。
気つけなあかんな。
「…お、美桜って」
へっ?
あっ、渉…
「うん?」
笑ってごまかそ。
「明日な、予定あるかって聞いてんの」
明日…って、何曜日?
「明日は日曜日」
声に出してた、私?
わ~
ボケたと思われてへんやろか?
「ハハハ…そやんね、日曜や。ハハハ…」
「うん。で、予定は?」
「ない!何もないよ」
「ほな、遊びに行こ、な」
明日も一人や言うとったな。
さすがに二日続けて昼ご飯作りにこれへんし。
「うん、いいよ。何処か行こか」
「うん」
渉、嬉しそうに笑う。
その笑顔、他の女の子に見せてほしないなぁ。
私…我が儘なんやろか?
独占欲強いんかなぁ。
気つけな、重い女って思われる。
嫌われるかもしれん。