雨宿り
【其の一】
「おはよー」
「おはよー」
いつもの朝の風景
「おい時枝、委員長は?」
「あぁ、そういえばまだ来てへんな」
珍しいな、いつもは俺より早いのに。
キンコーンカンコーン
チャイムがなった。
そやけど美桜は…
先生が来て出欠を取って
「神村は、暫く休みだ」
へっ?
「先生、美 いや、委員長休みですか?」
俺、何にも聞いてへんで。
「あぁ、盲腸で夕べ入院したらしい」
盲腸…
入院…
「えぇぇぇぇ…せ、先生、美桜入院してるんすか?」
「時枝、落ち着け。夕べ入院して今日手術するらしい。10日程で学校に来れるって家の人が言ってたから大丈夫だ」
「は、はい」
10日もか。
昨日までいつもと一緒やったのに…
美桜から何も連絡なかったから急やったんやろな。
大丈夫か、美桜?
今頃、手術なんかなぁ。
あ~俺、気になって授業に身が入らへん。
――
―
授業が終わって
美桜とこ行きたいけど何処の病院か分からへん。
先生も病院までは知らんやろな。
あ~気になる。
家に電話しても誰もいいひんやろし。
晩まで待たなしゃあない。