雨宿り
【其の一】
「お前、ええかげんにしいや」
「それは私の台詞やわ」
元は渉が待ち合わせに遅れたんが悪いんちゃうの。
何で私が怒られなあかんのん。
今日は退院してから初めてのデートやからウキウキしてたのに…
待ち合わせ時間に渉が来いひん。
時間、間違えたかなと思いながら待ってると、
何や知らんけど物好きな男にナンパされた…らしい。
らしい?って言うのは、私ナンパとは思ってなかったのさ。
どう考えても私をナンパするような男いてへんもん。
それにその男の人、ナンパ男のような感じ違って真面目そうやったし。
ナンパと思わず話しを聞いてしもた。
そしたら!!!
見た事あるなと思ってたら、中学の時の一年先輩やった。
先輩も見た事あるなと思って声かけたらしい。
二人で中学の話しで盛り上がってたら…
渉が来て!
めっちゃ恐いオーラ全開で…
「じゃあ、またな」
「はい。会えてよかったです」
先輩がその場を立ち去って