雨宿り
【其の一】
「寒いな~」
「もう12月も後半やもんなぁ」
二学期終了まで後数日。
「美桜は去年のクリスマスどうしたん?」
「去年?去年は…23日に里ちゃんや小関君やら10人くらいでUSJ行ったなぁ。あのクリスマスツリーの点灯式見たい言うて」
USJか、俺も一緒に行きたかったなぁ。
小関やらが う、羨ましい。
って、今年は美桜と過ごせるもんな。
「渉は?」
「お、俺? 何も無かった」
「へっ? 友達とか家族とか」
「いや、何も無し。友達とか彼女いる奴はデートやし、あぶれたもんでクリスマスもないし…合コン誘われたけど」
「えっ?」
美桜が横目で睨んでる。
「俺は、美桜に惚れてたさかい断っ た。お前が合コンに参加してたら行ってたけどな」
美桜のデコを弾く。
「もぅ、痛いやん」
仕返しされた。
「まぁ、家でケーキだけ食べたな」
「そうなんや。うちも24日は、お姉ちゃんらデートとかあったみたいやから25日にクリスマスケーキ食べたな。江上先生も呼んで」
家でクリスマスか。
あ~よかった。