雨宿り
【其の二】
二日目
今日からバスで移動
やっと美桜と一緒にいれる。
バスの席は別々やけど。
これから今話題の水族館へ。
――
―
お~デカイ。
こんなとこ…美桜と二人で廻れたら最 高なんやけどな。
あっ、美桜?
先に行ったと思ってたんやけど
「ヘヘヘ 戻って来ちゃった」
照れ隠しに頭掻いてる。
可愛すぎや!
「一緒に廻ろ」
「あぁ」
さすがに手は繋げへん。
水族館を廻りながら、美桜が一々反応するんがおもろい。
「ええなぁ。こんなとこで泳げて」
泳げてって…回遊魚やから泳がな死ぬやん。
変なとこに感心するんやなぁ。
ジンベイザメを見た時は、あまりのでかさに口をポカーンと開けとった。
俺はそんな美桜を見てる方が楽しかった。
「次はマナティ見よ」
「マナティって何や?」
「ちょっと象に似た顔してんねん」
「鼻、長いんか?」
「鼻ぺちゃな象や」
――
―
あれ…象か?
俺には見えへん。
美桜の認識はおかしいのか?
そやけど、嬉しそうに見とる。
まるで子どもみたいや。