ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】
と、窪田がおもむろにジャケットの内ポケットから携帯を取り出した。


電話の相手が出ると、

「あのファイルだけどな、日置に回せ。まだ隠れている情報がないかチェックさせろ」

一方的に言い放ち、電話を切った。



何で最初っから日置にやらせねぇんだよ、と思うもまぁ過ぎたことをとやかく言うのはやめておいた。


多分、日置は日置で他に優先させるべき重要任務があったんだろうし。


俺、チキンだけど心は誰よりも広いんです。

決して窪田が怖いわけじゃあないんです。



「なぁ、その情報って、全部兄貴にいってんの?」

「ああ、そうだが?」

窪田が不思議そうに視線を上げて俺を見た。


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