ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】
「感染経路とか、そういう情報まで流して、兄貴がボロ出さねぇかなぁ」

答えるというよりは、独り言のように呟いた。


知っているはずのないことを知っているのは、非常に危険な気がした。

そして、何だか嫌ーな胸騒ぎがする。



「龍が、んなヘマするかよ。お前と一緒にすんな」

と、また谷口さんに頭をはたかれる。

だからバカが増すからやめてって。



「俺は……俺はただ、兄貴が心配なだけだしね」

更に殴られることを想定し、頭を両腕でガードしながら言い返した。



「皆人、お前の気持ちはわかるがなぁ、得た情報は全て共有する、これが俺たちのルールだ」

気持ち悪いぐらいの優しい口調で窪田は言った。

見ると、またあのあやうく惚れそうな色気のある微笑み。


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