ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】
今度は龍一が舌を鳴らした。


龍一はミネラルウォーターを自分の口に含むと、そっと少女に口づけた。

少女の指先が僅かだが反応してピクッと小さく跳ねた。


コクンと、その細い首から小さな音が鳴る。



龍一はそれを数回繰り返すと、少女を軽々と抱き上げた。



「汗以外の分泌物は全て感染の危険がある。知らねぇのか?」

仁科とは別の声に振り返ればそこに、蜂須賀が立っていた。

いつからそこに居たのか。



少女が感染者だという情報のみで、その感染経路については龍一は知らされていない。


血液感染のみだということは、龍一は知らない『はず』だった。


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