ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】
考えられる可能性は……。


「お前の目的は金じゃ……ない? 金になる血清は必要じゃない、だから少女が死んでも構わない。お前の目的は――


漆原の目的とは違う」


あやふやな憶測を、さも確信しているかのように龍一は蜂須賀に向けて放った。



蜂須賀は表情を微塵も変えなかった。


が、動きをピタリと止めた。

そこに凍りついたように固まっている。



龍一は更に続けた。

「漆原に今それがバレたらまずいんじゃないか? 俺を始末しなきゃなぁ? 殺れよ、お前の計画実現の為に俺を殺せ」


挑発的な笑みをその美しく整った顔に被せて、蜂須賀に矢で射抜くような鋭い視線を向けた。


< 142 / 304 >

この作品をシェア

pagetop