ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】
「対象が動いた。龍からの情報では、目的地は長野の免疫センターだ。そこで、抗体から血清を作るつもりらしい。
菌ばら撒いて、血清売る訳だ、利口だな」
漆黒の大型4WDの助手席に俺が乗り込むなり、谷口さんは必要最小限の情報のみを皮肉混じりに口にした。
「そんなもん信用できんのかよ? ヤツラが兄貴にそんな極秘情報漏らすとか、どう考えても不自然だ。罠じゃねぇの?」
無精髭でジョリジョリした顎を撫でながら言い、その不快な感触に顔を顰めた。
どうも気になって仕方がない。
髭剃りを持って来たら良かった。そうしたら移動中に剃れたのに。
目的地に到着する頃には、ツルンツルンの少年皆人が出来上がったのに。
菌ばら撒いて、血清売る訳だ、利口だな」
漆黒の大型4WDの助手席に俺が乗り込むなり、谷口さんは必要最小限の情報のみを皮肉混じりに口にした。
「そんなもん信用できんのかよ? ヤツラが兄貴にそんな極秘情報漏らすとか、どう考えても不自然だ。罠じゃねぇの?」
無精髭でジョリジョリした顎を撫でながら言い、その不快な感触に顔を顰めた。
どうも気になって仕方がない。
髭剃りを持って来たら良かった。そうしたら移動中に剃れたのに。
目的地に到着する頃には、ツルンツルンの少年皆人が出来上がったのに。