ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】
窪田への報告を済ませたから、後処理はヤツが手配するだろう。

取り敢えず俺は、間宮くんと共に再び建物の外へ出た。



いかにも横着そうなガキばかりだけど、森本先生の指示の元、大人しく待っていたようだ。



「害者三人は、誰もいないここで仕事してたんですか?」

間宮くんと森本さん、二人を交互に見やりながら尋ねた。



「いえ、今日は森本先生と僕だけが出勤で、あとの職員は全員休みのはずです」

間宮くんは素直に答える。


が、何だか様子がおかしい。一見、落ち着いているように映るけど、目がおどおどしているというか……。



「何故この三人が施設にいたのか、その理由に心当たりは?」

考える隙を与えないよう、即、次の質問を投げた。



「さぁ……全く……」


「心当たりはない?」

確かめるように、もう一度繰り返した。



はい、という肯定の後、すっと視線を落として俺から目を逸らした間宮くん。

やっぱ何か知ってんじゃね?



「森本さんは?」

伏し目がちにぼんやりしている森本さんに向かって問えば、彼女はハッとしたように勢いよく顔を上げた。



「えっ? あの、私も……」


「三木、張本、長縄、この三人が施設にいた理由をご存知ないですか?」


敢えて職員の名を上げて、もう一度尋ねた。


< 257 / 304 >

この作品をシェア

pagetop