ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】
その瞬間、坂下は目を見張る。そんな彼を見て龍一は、ははっと小さく声を漏らして笑った。そうしてまた、一方的に続ける。
「お前がこうして生きてるのは、誰のお陰だろーな? そいつに感謝しないとな? 少なくとも、俺じゃないのは確かだ」
「感謝なんか……」
苦々しく吐き出して、坂下は視線を落として俯いた。
そうして、ぼんやりと自分の足元を眺めながら続ける。
「あの時……昔のこと思い出した。あいつらとつるんで悪さばっかしてたこと……。クソみたいな暮らしだったけど、楽しいこともあったなぁなんてよ」
そこまで言って坂下は、ハッとしたように顔を上げ、
「……って、いつまでこんなことしゃべらせとくんだよ? さっさと止めろよ、てめぇはっ!」
谷口に向かって悪態をついた。
「何でもかんでも腹ん中にため込むのは良くねぇ。吐き出したい時に吐き出せよ」
やけに神妙な面持ちで谷口は返す。
「まっ、残りは署でゆっくり聞くわ」
ニッと悪戯っぽく笑って言い、坂下の背中をポンと軽く叩いた。
再び歩き始めた三人。その後ろ姿を黙って見送っていた龍一だったが、
「坂下!」
急に思い立ったように呼び止める。
「お前がこうして生きてるのは、誰のお陰だろーな? そいつに感謝しないとな? 少なくとも、俺じゃないのは確かだ」
「感謝なんか……」
苦々しく吐き出して、坂下は視線を落として俯いた。
そうして、ぼんやりと自分の足元を眺めながら続ける。
「あの時……昔のこと思い出した。あいつらとつるんで悪さばっかしてたこと……。クソみたいな暮らしだったけど、楽しいこともあったなぁなんてよ」
そこまで言って坂下は、ハッとしたように顔を上げ、
「……って、いつまでこんなことしゃべらせとくんだよ? さっさと止めろよ、てめぇはっ!」
谷口に向かって悪態をついた。
「何でもかんでも腹ん中にため込むのは良くねぇ。吐き出したい時に吐き出せよ」
やけに神妙な面持ちで谷口は返す。
「まっ、残りは署でゆっくり聞くわ」
ニッと悪戯っぽく笑って言い、坂下の背中をポンと軽く叩いた。
再び歩き始めた三人。その後ろ姿を黙って見送っていた龍一だったが、
「坂下!」
急に思い立ったように呼び止める。