ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】




石原は地下鉄を二度乗り継ぎ、ようやく地上へ出る。そこから更に15分ほど歩き、目的地であるコンビニへ到着した。



出入口すぐ横に設置された、『不燃物』と大きく赤字で書かれたごみ箱の前に立った。



デニムジャケットの内ポケットから、茶色い紙袋に入った平たく四角いモノを取り出す。


ゴミ箱にそれを放り込もうとした時、不意に背後から何者かに手首を掴まれ、阻止された。

 
振り返れば、石原より少し高い位置にある顔が、柔らかい笑みを石原に向けていた。



その笑みはとても親しげで、誰もが好感を持つだろう。


この人物を知らなければ、だが。



蜂須賀。


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