ロシアンルーレットⅢ【アクションコメディー】
男はゆっくりと上体を起こし、そして――



「終わりだ、有坂皆人(ミナト)」

言って不敵な笑みを浮かべた。



何故俺の名を?



男の手には黒い手のひらサイズの長方形の何か。そして男は、スイッチのようなボタンに親指を添えた。



ヤバイ。

本能的にそう思った。



「婆さん、逃げろ!」

――って、もう居ねぇし。



俺も反射的に立ち上がって、出口へ向かって全力で走った。


耳をつんざく爆音と共に、俺の身体は吹き飛ばされ、店のガラスを突き破った。


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