―罪―
「あ、潤だ。おはよー」
彼女が教室の廊下に目を向けてそう言うと、廊下からこちらへと来るのは二人の男子。
「おはよ、なにやってんだ?」
明るい屈託のない挨拶に、軽く返しながら、机に座りプリントを写す手元を覗くのは、彼女の彼氏の潤。
「紗枝にね、プリント写させてもらってんの」
「ふーん」
「潤やった?」
「ああ」
「そうなの?」
「つーか、言えばやっといてやったのに」
彼女の彼は優しい。
「いいよ、私には紗枝がいるしね」
「紗枝頼みかよ」