―罪―
 

「なあ、帰るか?」



潤の悪戯な瞳の意味することがわかり、甘美な罪に目眩がしそうになった。



彼を見つめる親友の視線。



目は口ほどにモノを言うとは本当だと思う。



彼を好きな事を隠しきれていない親友の視線を見るたびに、私の欲望は満足しさらに貪欲にそれを欲する。



橋の柵に背を預け、しゃがみ込む彼のすべては私のためにある。



約束があるわけでもない、不安定な関係を固く繋ぐのは二人の意思。


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