―罪―
あの橋に行けば彼に会える。
あの橋に居れば私に会える。
たったそれだけの事なのに、その罪は深い。
親友がどれだけ彼を見つめ欲しようとも、彼は危険を冒し私に会いに来るのだから。
繋がる手を差し出すのは彼だという事実が、私の優越と独占欲を掻き立て甘い蜜に変わる。
「出ようぜ」
そう言って私を覗き込む潤の悪戯な瞳を見つめ、掴まれた手を握り返しながら、私の欲はどれほど汚いのかを考えていた。
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