―罪―
 

「うん、やったよ」



そう返すと、彼女が笑顔を見せて手を顔の前で合わせた。



「お願いっ! 写させて」



「いいよ」



「やったっ! やっぱ持つべき物は、友達だねぇ」



調子の良い事を言う彼女に笑いながらも、教室で鞄からプリントを出して渡す。



「ありがとー」



屈託のない笑顔を見せる彼女は、親友と呼べる相手だと思う。



中学からこの街に引っ越してきて、一番初めに声を掛けてくれたのが彼女だった。



明るくて、笑顔の可愛い友達は誰からも好かれ、裏表のない彼女を当然ながら私も好きだったりする。


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