―罪―
私が渡したプリントを、早速その場で写しだす。
「もうさぁ、バイトなんかやってると、勉強どころじゃないんだよね」
「そうなの? それ言い訳じゃない?」
「違うよー、紗枝もバイトするとわかるよ。ねえ、しない?」
「なにを?」
「バイトだよ」
「しない」
「すればいいのに」
アッサリと断る私に、少し拗ねたように呟く彼女は子供っぽい笑顔を見せた。
続々と登校してくる生徒達が、それぞれの教室に鞄を置いて廊下に出る。
思い思いの相手と話す生徒達。