その日、地球は滅亡した








「...なあ、慧。」

「何だ。」

「俺、いまだに理解できないんだけど...、」

「できないならできないままでいい。」

「...。」

自分の手を引いて歩く慧は、未来の自分。

不思議な感じだった。

兄と似ている雰囲気も、仕草も、自分だったからなんだと考えると

混乱してくる。


「慧は、未来の俺なんだよな?」

確認するように問えば、慧は心晴を見ずに頷いた。

「慧が未来の俺って、なんか、変な感じするし

やっぱり理解できない。」

「うん。」

「慧は慧だから、俺は気にしないようにする。」

「そうか。」

「うん。」

考えると、ややこしくなってくる。

余計な事をいろいろ考えて混乱する。

もしかして、慧は混乱させないためにずっと秘密にしていたんだろうか。

慧も俺と同じ経験をしたのなら、俺の気持ちは察してくれているはずだ。

そう考えて、ふと疑問が浮かんだ。


「慧...俺も、慧と同じ歳になったら、その、同じ事しなきゃ駄目なのかな。」


慧は立ち止まり、心晴を見て目を細める。

そして彼の頭にポン、と手を置いた。


「俺で終わらせるさ。」


「...。」



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