その日、地球は滅亡した

一足先に歩き出す慧を見て、心晴と未空は顔を見合わせて笑った。

「心晴君は、1人じゃないよ!」

今日、その言葉を聞くのは3度目になる。

心晴は嬉しそうに頷き、慧の後を追った。


もう大丈夫。

怖くないと言ったらウソになるけど、1人じゃない。

慧も、未空もいる。


「ありがとう、未空、慧。」













研究所の敷地に戻ると、タイムマシーンのまわりに研究員達と社長が居た。

心配になった慧が駆け寄ると、彼の存在に気付いた友哉が視線を向けてくる。


「遅かったな。」

「ああ、悪い。」

「いや、...私も勉強をさせてもらったよ。」

その言葉を聞いて、慧は箱の中に入れておいたディスクがない事に気づく。

「...見たのか。」

「すまない。興味があったものでね。

お詫びと言ってはなんだが、修理をしておいたよ。」

「マジで?」

タイムマシーンは確かに修理されていた。

故障する前の、綺麗な球体になっていて慧は目を見開く。

「データに書いてあるように組み立てたんだ。

しかし、今の我々の技術では到底タイムマシーンを作れそうにないな。」

理解できない事がたくさん書かれていた、と友哉は言う。



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