その日、地球は滅亡した
一足先に歩き出す慧を見て、心晴と未空は顔を見合わせて笑った。
「心晴君は、1人じゃないよ!」
今日、その言葉を聞くのは3度目になる。
心晴は嬉しそうに頷き、慧の後を追った。
もう大丈夫。
怖くないと言ったらウソになるけど、1人じゃない。
慧も、未空もいる。
「ありがとう、未空、慧。」
*
研究所の敷地に戻ると、タイムマシーンのまわりに研究員達と社長が居た。
心配になった慧が駆け寄ると、彼の存在に気付いた友哉が視線を向けてくる。
「遅かったな。」
「ああ、悪い。」
「いや、...私も勉強をさせてもらったよ。」
その言葉を聞いて、慧は箱の中に入れておいたディスクがない事に気づく。
「...見たのか。」
「すまない。興味があったものでね。
お詫びと言ってはなんだが、修理をしておいたよ。」
「マジで?」
タイムマシーンは確かに修理されていた。
故障する前の、綺麗な球体になっていて慧は目を見開く。
「データに書いてあるように組み立てたんだ。
しかし、今の我々の技術では到底タイムマシーンを作れそうにないな。」
理解できない事がたくさん書かれていた、と友哉は言う。