その日、地球は滅亡した
「作れなくていいよ。」
「まあ、良い。...もう、行くのか?」
友哉は話を変えて、問いかけた。
すると彼は当たり前だ、というように頷く。
「そうか...。」
「時間があまりないからな。」
慧はメンテナンスをするためにタイムマシーンに乗り込んだ。
その様子を見ながら雑談していた心晴と未空の元に友哉が歩み寄る。
「...大変だな、君たちの未来は。」
「...そう、ですね。」
「何があっても、諦めるなよ。」
友哉は2人を見て、真剣な声音で言った。
「諦めるわけないでしょ、お父さん。」
そんな友哉に、未空は笑って見せた。
友哉は突然不安に駆られる。
自分の娘が、自分が想像できない運命を辿っているのだ。
「君、」
友哉は心晴に視線を向け、両肩を掴み真剣な瞳でじっと見つめた。
「未空を、頼む。」
友哉の表情は、社長としての面影はなかった。
娘を心配する、親の顔。
「はい。」
心晴は彼の思いに答えるかのように、しっかりと頷いた。
その時だった。
パトカーのサイレンが鳴り響く。
「心晴!未空ちゃん!」
丁度メンテナンスを終えた慧が2人の名を呼んだ。