その日、地球は滅亡した
└最後の夜、そして。
*
今回の時空間の移動はなんのトラブルもなく終える事ができた。
ガコン、と音をたててすっかり暗くなった空地に着陸する。
2012年8月19日に戻ってきたという実感があまりなかった。
3人はタイムマシーンを降りる。
色々な事がありすぎて疲れた。
携帯の時計を見れば既に真夜中を差していた。
「ふあぁ。」
心晴が欠伸をした。
それにつられて未空も欠伸をする。
さすがに眠いのだろう。
「今日はもう寝るか。」
「...何所で?」
「ここ?」
「マジで!?」
心晴は 野宿... と不満そうな声をもらしたがしょうがない。
今は真夜中なのだ。今の時間じゃホテルもチェックインできないだろう。
それにタイムマシーンから離れるわけにはいかない。
盗まれると大変だ。
「タイムマシーンのシート倒して寝ろよ。」
「あー、うん、わかった。」
未空、行こう と再びタイムマシーンに乗り込む2人を見て
慧の表情は自然と和らいだ。
積み重ねられた土管の上に座り、ふと空を見上げると無数の星が輝いている。
空は、未来よりも澄み切っていて綺麗だと思った。
「...慧。」
寝てしまっていると思っていた心晴の声を聞いて、顔を向けずに まだ起きてたのか と声をかけると うん と不安そうな声音で返事が返ってくる。