その日、地球は滅亡した
*
「おい、心晴。」
「...ん、」
揺す振られ、心晴はゆっくりと目を開けた。
「けい?」
「おう。おはよう。」
「...おはよう。」
まだ完全に疲れはとれていなかった。
怠い体を起こして辺りを見回す。
「未空は?」
「外。」
慧はタオルとコンビニの袋を心晴に押し付けて、先に外に出る。
不思議に思いながらも袋の中を見るとパンとお茶が入っていた。
それを抱えて外に出ると、ジリジリと太陽の日差しが肌にあたる。
「...暑い。」
この暑さと、雲一つない空には見覚えがある。
二度目の2012年8月20日を迎えたんだと実感した心晴は、顔をしかめた。
「心晴くん、おはよう!」
心晴の存在に気付いた未空が、タオルで顔をふきながら歩み寄ってくる。
空地の隅にある水道で顔を洗っていたのだろう。
「おはよう未空。」
「...いよいよだね。」
「うん。」
今日で、すべてが決まる。
そう考えると、緊張感が走る。
「用意ができたら、話したい事あるからタイムマシーンの前に集合だって。」
「わかった。」