その日、地球は滅亡した
当たり前のように言う慧に驚いた。
自分の事しか考えていなかった心晴とは違う。
慧はいつでも心晴や未空の事を優先して考えていた。
改めてそれを実感し、じっと慧を見つめる。
「何だよ。」
「...ゲーセン。」
「?」
「ゲーセン行きたい。」
確か、この空地から近い位置にゲームセンターがあったはずだ。
それを思い出し心晴が言えば慧は笑った。
「なら行くぞ。」
歩き出した慧に慌ててついていく。
ぼんやりしていた未空の手を引いて、その背中を追った。
「1人3千円までな。」
「え、慧払ってくれんの?」
「おう。」
5分もかからない位置にゲームセンターが在った。
金なら少し持ってきたし、と言いながらさっそくクレーンゲームへと向かう。
いとも簡単に景品をとっていく慧に驚いた。
「慧さん、慧さん。」
ぐい、と慧の服を引っ張り未空は大きなクマのぬいぐるみが景品になっているクレーンゲームを指さす。
「あれ取れますか!?」
「任せとけ。」
たったの1回で景品をとると、目を輝かせている未空に手渡す。
「はい。」
「ありがとう!」
「心晴はー?何か欲しいもんある?」
「欲しいものはないけど、あれしたい。勝負しようぜ!」
「おー。」