その日、地球は滅亡した




「はい。」

プリントし終えたプリクラを近くに置いてあったハサミで切り、心晴と慧に渡す。

「ありがと。」

心晴は礼を言い、もう一度プリクラを見る。

なんだか変な感じがした。

自分と、未来から来た未空と、そして未来の自分が写っている。

「...。」

改めて、自分は誰にも体験できないような事を経験しているのだと知る。

慧は3人で写っているプリクラを見て、小さく微笑んでいた。



「もうそろそろ時間だな。」


慧は、静かに告げた。

「行くか。」

その言葉に2人は頷く。

ゲームセンターを出て再び空地へと移動した。

勇気なんてないし、自信もない。

けれど覚悟はある。

真剣な表情で前を見た。

空地に入る前で、慧は立ち止まる。

そして振り向いて心晴と未空に視線をうつす。


「慧?」

入らないのか?と問えば、慧は入るよと言う。

「けど、その前に...。」

「?」


慧は2人に向かって両手を広げた。

「おいで。」

一瞬、ぽかんとした。

けれどすぐに何を意味しているのか理解する。


< 116 / 187 >

この作品をシェア

pagetop