その日、地球は滅亡した
└変わる運命
*
がしゃん、とタイムマシーンの扉が閉まる音が響いた。
操縦席には心晴が真剣な表情で座っている。
時刻は11時30分。
「心晴君。」
静かに、未空は名前を呼ぶ。
少しだけ震えている心晴の手に自分の手を重ねた。
「そろそろ、行こう。
未空ちゃんは俺が合図したらタイムスリップする時間の入力をしてくれ。」
「わかりました。」
「心晴、時空間に入ったら未空ちゃんの手、離すなよ。」
釘をさすように言う慧に頷く。
そして、アクセルを踏む。
「ハンドルを手前に引いて。」
「わかった。」
言われた通りに手前に引くと、マシーンは浮上した。
驚いて目を見開くと、慧はそのままでいろと言う。
地上から離れ、だんだんと高くなっていく景色に目を奪われる。
それは未空も同じようで、外の景色をじっと見ていた。
雲の上は、静かだった。
ただ、青が広がっているだけの世界。
見たことのない光景に心晴の鼓動が高鳴る。
さらに上を目指して進むと、慧は突然 止まって と言った。
マシーンの中から上を見上げるとすぐ近くに闇が広がっていることに気づく。
「...すっげ。」
ぽかん、とした表情で上を見上げていると慧が口を開いた。
「すぐ上に宇宙があるなんて、変な感じだろ?」
「うん...。」