その日、地球は滅亡した


「...なんだ、ここは。」

友哉は外にでると、愕然として景色を見つめた。

慧もタイムマシーンから降りて、言葉を失う。

「...何も、無いじゃないか。」

見たこともない世界が広がっている。

焼野原が永遠に続いてるように見えた。

人の気配は全くなく、空は炎のように赤い。


「ここは、何所の時代なんだ。」

友哉が焦ったように言った。

慧の頬を冷や汗が流れる。

ぐ、と拳を握りしめた。

明らかに自分が知る未来と違う。

けれどそれはそれで都合がいい。


「一体、何が起きてこんな事にッ、人類はどうなったんだ!」

友哉が大声をあげる。信じられない、いや、信じたくないのだろう。

何もない世界に、2人は立ち尽くす。


「たぶん、ここは100年以上先の世界ですよ。」

ぽつりと慧が呟いた。

「...何だと!?」

「俺、2112年に設定して小惑星とタイムスリップしたんです。

この様子をみると小惑星は100年後に落下したんでしょう。

たぶん、そのせいで世界は滅びたんでしょうね。」

つまり、慧と友哉がいるこの場所は100年以上先の滅びた世界。


「ッ、どうするんだ!タイムマシーンが使えないじゃないか!」

「あー...このままだと、飢え死にますねー。」


軽い口調で言う慧を見て、友哉は表情を歪めた。

そしてタイムマシーンを背にずるずるとその場に座り込む。


< 124 / 187 >

この作品をシェア

pagetop