その日、地球は滅亡した
「...なんだ、ここは。」
友哉は外にでると、愕然として景色を見つめた。
慧もタイムマシーンから降りて、言葉を失う。
「...何も、無いじゃないか。」
見たこともない世界が広がっている。
焼野原が永遠に続いてるように見えた。
人の気配は全くなく、空は炎のように赤い。
「ここは、何所の時代なんだ。」
友哉が焦ったように言った。
慧の頬を冷や汗が流れる。
ぐ、と拳を握りしめた。
明らかに自分が知る未来と違う。
けれどそれはそれで都合がいい。
「一体、何が起きてこんな事にッ、人類はどうなったんだ!」
友哉が大声をあげる。信じられない、いや、信じたくないのだろう。
何もない世界に、2人は立ち尽くす。
「たぶん、ここは100年以上先の世界ですよ。」
ぽつりと慧が呟いた。
「...何だと!?」
「俺、2112年に設定して小惑星とタイムスリップしたんです。
この様子をみると小惑星は100年後に落下したんでしょう。
たぶん、そのせいで世界は滅びたんでしょうね。」
つまり、慧と友哉がいるこの場所は100年以上先の滅びた世界。
「ッ、どうするんだ!タイムマシーンが使えないじゃないか!」
「あー...このままだと、飢え死にますねー。」
軽い口調で言う慧を見て、友哉は表情を歪めた。
そしてタイムマシーンを背にずるずるとその場に座り込む。