その日、地球は滅亡した


「アフリカに落ちた小惑星の衝撃は、一瞬で地球全体に広がった為、

世界中で大地震が起きた。で、衝撃に耐え切れなくなった地球は崩壊した。」


ありえない。いや、あってたまるか。

「嘘だ。」

もう一度、慧さんの言葉を否定すればため息をつかれた。

ため息をつきたいのはこっちだ。


「このままじゃ、お前だけじゃなく世界中の人が死ぬ。地球が滅亡する。」

「一体何なんだよ、俺にっ、どうしろって言うんだよ。」

声が震えた。

20日の出来事を思いだし、怖くなる。




「世界を、救え。」



その言葉は、俺に重く伸し掛かった。

出来るわけがない。どこかの漫画やアニメの主人公じゃあるまいし。

慧さんをじっと見つめたまま、俺は硬直した。


「なんで、俺なの。」

慧さんが、すればいいじゃん。

具体的に、どうすればいいの。

どうして、俺がっ、

「...お前にしかできないからだ。」

「・・・。」

このままじゃ、死ぬ。

全部が崩壊してしまう。

「俺にしかできないって、何で。」

「時期にわかる。とりあえず、やらなきゃ死ぬぞ。」

どうせ20日に死ぬんだ。

少しでも生き残れる可能性があるなら、それに賭けてみようと思う。

俺はぐっと拳を握りしめて慧さんを見た。


「わかった。」


その返事を聞いた慧さんは、ほっとしたように笑った。
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