その日、地球は滅亡した






心晴と未空は愕然とした。

あの後2人は心晴の家が在った場所へと向かったのだ。

そこに心晴の家はなく、知らない人の家が建っていた。

「も、もしかしたら引っ越したのかもしれないし。」

未空はフォローをいれたが、心晴の表情は暗かった。

念の為役所にいき、母親の名前と兄の名前を調べてもらったが

住民リストには登録されていなかった。

「峯岸恵さんと、峯岸陽人さんは2012年に亡くなられています。」

「そんな、」

過去は何も変わっていなかった。

あの後、小惑星は衝突したらしい。

役所にあったパソコンを借りて過去について調べると、

午後0時2分に衝突したのではなく、午後15時に衝突したことになっていた。

やはり、簡単に運命を変える事は不可能なのだろうか?


「こんなの、意味ねぇよ...」

何のために命を賭けてタイムスリップしたんだろう。

何も護れていないじゃないか。

「慧、」

彼は過去をどうしたかったんだろう。

本当に小惑星から世界を救いたかったんだろうか。

全部わからない。

これからどうしたらいいんだろう。

「...わかんないよ。」

心晴は呟く。




「心晴君、わからないなら慧さんに直接聞こうよ。」

「...え?」

「会いに行こう。」

突然の未空の言葉にぽかんとした。




< 133 / 187 >

この作品をシェア

pagetop