その日、地球は滅亡した
*
心晴と未空は愕然とした。
あの後2人は心晴の家が在った場所へと向かったのだ。
そこに心晴の家はなく、知らない人の家が建っていた。
「も、もしかしたら引っ越したのかもしれないし。」
未空はフォローをいれたが、心晴の表情は暗かった。
念の為役所にいき、母親の名前と兄の名前を調べてもらったが
住民リストには登録されていなかった。
「峯岸恵さんと、峯岸陽人さんは2012年に亡くなられています。」
「そんな、」
過去は何も変わっていなかった。
あの後、小惑星は衝突したらしい。
役所にあったパソコンを借りて過去について調べると、
午後0時2分に衝突したのではなく、午後15時に衝突したことになっていた。
やはり、簡単に運命を変える事は不可能なのだろうか?
「こんなの、意味ねぇよ...」
何のために命を賭けてタイムスリップしたんだろう。
何も護れていないじゃないか。
「慧、」
彼は過去をどうしたかったんだろう。
本当に小惑星から世界を救いたかったんだろうか。
全部わからない。
これからどうしたらいいんだろう。
「...わかんないよ。」
心晴は呟く。
「心晴君、わからないなら慧さんに直接聞こうよ。」
「...え?」
「会いに行こう。」
突然の未空の言葉にぽかんとした。