その日、地球は滅亡した
会いに行けるはずがない。
それをわかっていながら未空は口にしたのだ。
心晴は表情をしかめる。
「でも、もし会いに行けたとしても
慧はどの時代にいるのかわからない。
100年以上先の世界にいるのだとしたらもう戻ってこれないんだぞ。」
「ッ、大丈夫。」
「何が大丈夫なんだよ。」
そういえば未空は黙り込んでしまった。
未空は不安だったのだ。
大丈夫だと言い聞かせないと、どうしようもない恐怖が襲ってくる。
時間だけが刻々と過ぎていく。
「慧さんだったら、どうするのかな?」
「...。」
「もし、この場に慧さんがいたら、なんて言うんだろう。」
じっと未空は心晴を見つめる。
(慧だったら...か。)
慧は自分でもある。
静かに目を綴じて考えると、慧に初めてあった時に言われた言葉を思い出した。
___世界を、救え
今、わかった気がした。
慧がどうして自分で世界を変えようとしなかったのか。
どうして俺に世界を救えと言ったのか。
「未空、どうして慧が時空の歪に俺達を突き飛ばしたのかわかったよ。」
「私達を、助けるためじゃないの?」
その答えに、心晴は首を左右に振った。
「俺達に、世界を救って欲しいんだと思う。」
まだ戦いは終わったわけじゃない。
「だから、あの時時空の歪の中に俺達を突き飛ばしたんだ。」