その日、地球は滅亡した
└予想外の真実
修理が終わるまで、まだ時間がかかるらしい。
研究員達が あと30分程度だな と話しているのを耳にした。
「なあ、未空。」
「何?」
「...全部が終わったら、未空は2019年に帰るのか?」
なるべく声のトーンを落として、心晴は問いかけた。
「え、」
一瞬、言葉に詰まる。
「...って、当たり前だよな。」
ごめん、気にしないで と心晴は苦笑した。
未空は何も言わずに心晴を見ている。
(...最初は、帰りたかったけど…今は…)
____心晴の傍にいたい
と無意識に考えていた。
けど家族や友達とも離れたくない。
単なる我が儘かもしれないが、これが正直な気持ちだった。
未来の自分が慧と付き合っているところを見ると
自分がどんな行動に出たかは予想がつく。
しかしすべてが未来通りに行くなんてことはない。
実際、住む世界が違う自分が心晴と同じ世界に留まると色々問題が起きるだろう。
たとえば、動物が襲ってくるとか。
「なんで、そんな事きくの?」
我ながら意地悪な質問をしたと思う。
心晴は驚いたような表情をしてから少し頬を赤らめて口を開く。
「...それは、まだ言えない。全部が終わったら言う。」
自惚れではないが、
心晴は自分と同じ気持ちなのだと察して自然と頬が緩む。
返事をするかわりに心晴の肩に頭をのせて寄り掛かると彼は微笑んだ。