その日、地球は滅亡した

時間は経過していく。

２人がうとうとしてきたときだった。

「ニャア」

猫の鳴き声が響く。

前を見れば真っ黒の猫がじっと２人を見ていた。

不気味な雰囲気を感じ取り、嫌な汗が頬を伝う。

「ニャア」

まるで仲間を呼んでいるみたいだ、と思った。

刹那、

ガシャァンと何かが壊れる音が聞こえて心晴は猫から視線を逸らして物陰から正面を覗き込んだ。

「な、なんなんだ一体!」

「タイムマシーンを移動させろ!早く!」

研究員達の慌てた声音にただ事ではないことを知る。

正面の入口から様々な動物が押し寄せてきて来ていた。

心晴や未空の匂いを察知して集まったのだろうか。


とにかくこうしていられない。

「未空!」

未空に合図を送ってから、心晴は意を決して物陰から飛び出した。

「ガウガウ!」

向かってくる動物を避け、タイムマシーンへと向かい突っ走る。


「なんだ貴様ら！」

「侵入者だーッ!!」

心晴と未空の姿を見た瞬間、研究員はさらに慌てた。

近くにある非常用ボタンを押すと、サイレンの音がけたたましく鳴り響く。

心晴は近くにあった部品の山から鉄パイプのようなものを適当にひっつかみ、両手で握りしめる。


「ごめんッ!」

謝罪を入れてから、近くにいた研究員の首の後ろめがけてパイプを振り下ろした。

そのまま意識を手放して研究員は倒れこむ。

「俺がなんとかするから、その間にタイムマシーンを頼んだ!」

心晴の声に頷き、未空は隙をついてマシーンに乗り込んだ。