その日、地球は滅亡した



目の前にいる心晴は、慧の事を強く信頼している。

それが痛いほど伝わってきた。

彼はまだ18歳で、身長も慧に比べれば小さいのに

自分を抱きしめる腕は強く、安心感を覚える。

トクン、トクンと規則正しく動く鼓動が徐々に早まってきた。

それが少し恥ずかしくて門倉は心晴から手を離すと、

彼もそっと離れた。


先程まであった不安が少しだけ和らいでいた。

目の前にいる2人なら、本当に過去を変えてくれそうな気がする。


門倉は再び瞳が潤む。


本音を言ってしまえば、もう一度慧に会いたいのだ。

慧が隣に居てくれればもう何も要らない。

彼が戻ってきてくれるならどんな事だってしたい。

けれど、彼は私の為に自ら私の運命を背負ったのだ。

私がタイムスリップして彼を探そうとすればきっと彼は怒るに違いない。

___何のために俺が未空の運命を背負ったと思ってんだよ。

彼が言いそうな言葉が、頭に浮かんだ。


(なら、私は目の前の可能性に賭けてみようと思う。)

「...心晴君、」

心晴の名前を呼べば、彼は門倉に視線を向けた。


「私の代わりに、慧を、救って。」


自分より7歳年下の愛しい人に想いを告げれば、

彼は真剣な表情で頷いた。
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