その日、地球は滅亡した






相変わらず空は不気味な色をしていて、朝か夜かもわからない。

地球ではなく、別の星に来てしまったような気分になる。


「ハァ、ハァ、」

慧はタイムマシーンを背に、荒い呼吸を繰り返している。

友哉はどうにかしてこの状況を打破できないかと考えているらしく、

タイムマシーンを調べていた。


そんな友哉に向かって、慧は辛そうに口を開く。

「無理、だ。タイムマシーン、を作った時に、時空の移動、ッは

100年が限界だった、だろ。」

いくら研究や実験を重ねても、それ以上時代を超える事は不可能だった。

それをわかっていながらも、友哉は止めようとしない。


「私はまだ死ぬわけにはいかないッ、妻と約束したんだ!」


苛立ちや不安が募り、慧に八つ当たりするかのように叫んだ。

そんな友哉の声を聴きながらも、慧は表情を変えずぼうっとしている。

「それに、まだやらなければならない事があるッ!

やっと、やっと世界に認めてもらえると思ったのにっ...、」

バン、とタイムマシーンを叩いた。

慧は、だんだんと遠のいていく意識を必死でつなぎとめようとしながら口を開いた。

「過去の、俺がッ、きっと...世界を救う、から、」

「峯岸...。」

「待ってろ。

きっと、助けに来る...から。」



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