その日、地球は滅亡した


「私は本当に馬鹿だ。」

「...。」

「2012年、8月19日に私は大きな過ちを犯してしまった。

タイムマシーンの研究を初めて、やっと研究の成果がでてきたころだった。

人が乗れるようなちゃんとした形はしていなかったが、

自動モードのみのタイムマシーンの試作品ができたんだ。

試してみたくなった私は、動物を乗せた実験を行うことにした。

2012年8月20日と到着時間を入力し、実験をした。

20日の午後0時に本当ならばタイムマシーンが戻ってくるはずだった。

しかし、現れない。不思議に思った私は試作のタイムマシーンにつけた追跡機を使用し、パソコンで調べた。

そして、...分かったんだ。

タイムマシーンは19日にタイムスリップに失敗し、時空間を外れ宇宙に出てしまったらしい。

そして、タイムマシーンは宇宙に在るいくつかの小惑星に衝突。

その衝撃でマシーンは小惑星とともに20日の地球に、タイムスリップした。」


本当、馬鹿な事をしたよ。と友哉は自嘲した。

「そして、8月20日に地球は崩壊寸前にまで追い込まれた。

なんとか生き延びた私は数年後、タイムマシーンを完成させた。

私は自分の犯した過ちを悔い、過去を変えようと思い

過去へタイムスリップして、タイムマシーンの研究を辞めさせた。

そうすれば、未来は変わると思っていた。

多くのひとが死なずに済むと、私は罪悪感から解放されると思っていたのにッ...。」


ぐ、と唇を噛み友哉は慧を見た。


「未来が変わることはなかった。」




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