その日、地球は滅亡した
◎その日、世界が蘇る
*
納得いかない、というような表情で研究員達は心晴と未空を見ていた。
門倉は真剣な表情でこちらを見ている。
数10分前、動物達を追い出し、タイムマシーンの修理を終え、やっと一段落ついた研究員達の元に門倉がやって来たのだ。
そして一言、
「タイムマシーン、貸してくれない?」
と聞いてきた。
もちろん研究員達全員で反論したが、彼女の お父さんに言っていいの? の一言で辺りに沈黙が落ちた。
「門倉さん、色々ありがとうございました。」
心晴が礼を言えば、門倉は首を左右にふってから未空に視線をうつす。
「昨日はごめんね。」
きっと彼女は、未空をタイムマシーンに無理矢理乗らせ、タイムスリップさせた事に対して謝罪しているのだろう。
未空は いえ、謝らないで下さい と言ったが、門倉はどこか腑に落ちない様子だった。
「…二人とも、気をつけて。」
「はい。」
二人はしっかりと返事をした。未空が持つ鞄には、病気の症状を遅らせる薬が何個か入っている。
とりあえず、もう一度19日に戻る事にした心晴と未空は、過去を変えてから慧をどうにかして探すつもりだった。
どうすればいいかなんて、具体的な事はわからないけれど立ち止まるわけにはいかない。
心晴は慣れた手つきでタイムマシーンを操作した。