その日、地球は滅亡した
タイムマシーンが淡い光に包まれた。
「心晴くん!」
時空間に移動する直前、門倉は声を張り上げる。
「慧に会ったら 馬鹿! って言っといて!それと、私は待ってるって伝えて!」
その声に頷いた瞬間、風景がぐにゃりと歪み時空間へと移動した。
今回は自動モードに設定したために操縦はしなくていいだろう。
隣に座る未空は鞄を抱きしめて、ちらりと心晴に視線をうつした。
視線に気づき、未空に顔を向ければ彼女は慌てて視線を外す。
「未空?」
「ご、ごめん。なんでもない!」
「?」
未空の頬がうっすらと赤く染まっている。
(絶対に言えない!…未来の自分に、嫉妬、したなんて…)
顔の熱を隠すように、抱きしめている鞄に顔をうずくめた。