その日、地球は滅亡した
しかし、良い状況は長くは続かなかった。突然試作のタイムマシーンは激しく揺れ始める。
「社長!」
研究員が声をあげた。刹那、画面からタイムマシーンが消える。
友哉は目を見開く。時空間から外れた試作のタイムマシーンの居場所を突き止めるために、パソコンの前にいた研究員を突き飛ばし操作し始めた。
「っ、時空間を外れて宇宙に出た。」
やはり、失敗に終わったか。と友哉は呟く。
「…その試作のタイムマシーン、どうすんだよ。」
宇宙に放置したままでいいのか?と問い掛けると友哉は別に問題はないだろうと言う。
しかし、画面を見つめたままの研究員の顔色は次第に悪くなっていく。
心晴は首を傾げる。
「社長…まずいです…」
「どうした。」
「このままでは、タイムマシーンは小惑星に衝突します。」
「何!?」
その言葉に驚き、未空と心晴も画面を覗きこむ。
予測進路では、数百キロ先の小惑星に衝突することになっていた。
このままでは試作のタイムマシーンは小惑星にぶつかり粉々になってしまう。
「社長!タイムマシーンが光だし、加速し始めました!」
「どうなっているんだ!」
「故障ですね…社長、このまま小惑星にぶつかればその衝撃でタイムスリップしてしまう可能性があります。」
画面を見つめたまま、研究員は真剣な表情で呟いた。